私は学校卒業後、社会人となり営業マンとして関西エリアを担当することになりました。
1995年に起こった阪神淡路大震災の日、私は神戸出張予定でありましたが新幹線も運休で行くことができませんでした。数日が経過し、ようやく神戸まで行った時の光景は
今でも鮮明に覚えております。当時、お客様からはライフラインが寸断されしかも冬でとても寒く大変だったと聞かされ、特に飲料水には困ったようです。
清涼飲料水自動販売機が被災地でも多数設置されていたものの、電気が来ていないので飲料水を購入することができなかったようです。
普段はコインを入れて飲みたい商品のボタンを押せばすぐに飲料水が購入できたのにライフラインが寸断された時はただの鉄の塊に過ぎなかったのです。自動販売機内にはたくさんの飲料があるのだから電気がなくても取り出せて、困っている人々へ届けることができないかな、と思いました。(自販機は水瓶だと思った瞬間です。)
数年後、家業を継ぐことになり自動販売機を通じて商いをすることになりました。
ある日、お得意先様にて自動販売機設置の商談した時のことです。ご担当窓口の方が神戸出身で阪神淡路大震災の被災者であるということを知りました。その瞬間、過去に考えていたことが思い浮かび、飲料メーカーや自動販売機メーカーともいろいろ相談し、やっとの思いで災害時に救済できる自動販売機を設置することができました。
これからの時代、水分補給や気分転換に利用する自動販売機だけではなく、人命救助や社会貢献するための自動販売機が必要だと思った瞬間です。
弊社所在地である入間市と防災協定を結び、市民が災害(ライフラインが寸断)にあった際、災害避難場所へ弊社の倉庫にある飲料水を届けることや災害避難場所である市の施設などに災害救済自動販売機を設置し、電気がなくても自動販売機の飲料水を取り出せる仕組みとしております。
自動販売機内の在庫では補いきれないため、備蓄用飲料水を災害避難場所や地元企業の協力を得て各防災倉庫に準備もしました。
1年に一度の市民防災訓練にも参加し、いつ何時の災害でも対応できるようにしております。
地元企業様の協力を得て、AEDと自動販売機のセット展開し、救える命にご協力いただいております。また弊社社員数名に普通救命士の資格を取得し、AEDの取り扱いができる状態にしております。
今後は人助けをキーワードとし、新たな事業にチャレンジしていく思いであります。
代表取締役 各務 貴弘